消費者金融やカードキャッシングの「過払い金」。
気になってはいるけど、「また今度でいいや」と先延ばししている方も多いのではないしょうか?
過払い金は、待っていても、全額を取り戻すことはできません。
また、過払い金請求は、請求してたら自動的に戻ってくるような、生易しいものはありません。相手方貸金業者は、法律上の色んな争点で争ってきます。
給付金のように「現金が返還される」とか「口座に振り込まれる」種類のものではありません。
そして、過払い金には期限があります。
過払い金は、原則として、取引終了から10年で時効となりますが、例外的に、取引終了から10年を待たずに、もっと早く過払い金が時効になるケースもたくさんあります。
以下の注意点をご確認の上、気になったら、1日でもお早めにご相談ください。
「借入できず返済だけ」という方は過払い金の時効に注意が必要!
「貸付停止措置」という言葉、ご存じでしょうか?
これは、カードを使って借りたり返したりする継続的な取引の途中で、新たな借入ができなくなり、返済だけになることを言います。
他社の借入額が多かったり、返済に遅れが続いたりするなどして、消費者金融側が「貸付停止」の措置を取ることが多いのですが、「もう借入れをしたくない」という借主側から申し出て、「貸付停止」になることもあります。
特に、2010年(平成22年)6月の貸金業法の改正で、年収の3分の1を超える借入れができなくなりました。その際、消費者金融に、源泉徴収票などの収入書類を提出しなかったために、借入れができなくなった方も多いようです。
借入ができなくなった方は過払い金の時効が早まる可能性!
そして、この「貸付停止」措置がなされた場合、消費者金融側は、過払い金の時効が早まると主張してくるのです。
通常、過払い金の時効は、取引が終了してから10年です。
ところが、この「貸付停止」措置がある場合、消費者金融は、「それまで借りたり返したりする取引だったものが、返済だけになっているので、取引の性質が変わっている」と主張してきます。
そして、「取引の性質が変わっているのだから、過払い金は、個々の返済ごとに、10年が経過したら時効になる」と主張してくるのです。
本来ならば、取引の最初までさかのぼって計算した過払い金を請求するところ、貸付停止がある場合には、過払い金の請求があった日から10年以上前の過払い金は時効にかかると主張してくるのです。
この消費者金融側の「貸付停止」措置に伴う過払い金の消滅時効の主張。平成21年1月の最高裁判決で否定されたはずの「個別時効説」を持ち出すようなもので、到底認められないように思えますが、下級審の中には、消費者金融側の主張を認める裁判例も数多く出ているのが現状です。
返済中の方も「貸付停止」には注意が必要
この「貸付停止」の争点。
借金の支払いをすでに終えた方はもちろん、現在返済中の方にも関係する争点です。
2007年(平成19年)以前から消費者金融との取引を始めた方の場合、適法な金利で計算しなおすと、取引の途中からすでに過払状態になっている方がほとんどです。
そして、この過払状態になっているのが10年以上前の場合、この「貸付停止」の争点を主張され、裁判所で認められてしまうと、直近10年分の過払い金しか請求することができなくなってしまうのです。
特に、昭和時代や平成一桁の1990年代から取引が続いている方は、特に注意が必要です。「貸付停止」の主張が認められると、過払い金の金額が大幅に小さくなってしまうのです。
「今残っている債務を完済してから」と過払い金の相談を先延ばししていると、時効で消えてしまう過払い金がどんどん増えてしまう可能性があります。
「ずっと利息だけを払っている」という方も、1日でも早く、過払い金のご相談に出かけてみてください。
取引の途中で空白期間がある方も注意が必要!
消費者金融やカードキャッシングで、一度債務の支払いを完了し、借入れも返済もない「空白期間」があって、再度取引を再開している方も多いのではないでしょうか?
こうした場合、相手方の消費者金融やカード会社は、必ずと言っていいほど、「取引の分断」という争点を主張してきます。
これは、空白期間の前後で、取引が2つに分かれるという貸金業者側の主張です。そうすると、前半の取引の終了から10年以上が経過していると、前半部分の過払い金は時効となり、後半部分だけの計算だと、過払い金の金額が著しく小さくなったり、もともと適法な金利での取引だと過払い金が0円となってしまう可能性もある、恐ろしい争点です。
取引の途中で一度完済している経験がある方は、前半部分の過払い金が時効になってしまう前に、1日でも早く過払い金の相談に出かける必要があるのです。
この「取引の分断」の争点は、10年以上、過払い金の中で最大の争点です。そもそも基本契約が切り替わっているのか、空いている期間はどれくらいか、というところから、この争点については、色々チェックすべきポイントがあります。
この点、全国から集客を図っているベルトコンベア式の事務所だと、争点について裁判できちんと争わず、相手方業者の言いなりになってしまう恐れもあります(たまにホームページ上で裁判は起こさないと明言しているような事務所もあるので注意が必要です)。
「取引の分断」のような争点では、担当する弁護士が、これまでどれだけたくさんの案件を担当してきたかによって、回収できる過払い金の金額が大きく異なります。
「過払い金に強い弁護士が担当するかどうか」というのは、過払い金の依頼先を決めるうえで、重要なポイントになりますので、ご注意ください。
過払い金の時効・期限に注意!
以上のように、過払い金には、時効・期限があります。
相手方貸金業者は、様々な法律上の争点を持ち出して、過払い金の全部または一部が期限切れであると強く主張してきます。
そして、テレビやラジオ、ネットなどのCMでよく知られる「過払い金の無料調査」や「過払い金無料診断」では、過払い金の時効の進行が止まることはありません。単なる「遠回り」になってしまうので、無料調査などで時間を無駄にしないことが、みなさんにとって、とても大事になります。
無料調査を手掛ける大量処理型事務所の中には、過払い金の争点がある件や過払い金の回収に時間がかかる業者の依頼だけを断るような「つまみ食い」を平気でするような事務所もあります。
特に、司法書士法人は、過払い金の金額が140万円を超えると、交渉も裁判も何もできません。こうした司法書士法人などに無料調査を依頼して、もたもたしていると、その間に、過払い金が期限切れとなってしまうリスクもあるので、注意が必要です。
このため、過払い金請求は、最初から、弁護士にご相談・御依頼いただくのが安心です。過払い金の無料調査などで、時間をロスしないよう、くれぐれもお気を付けください。
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