新型コロナの感染拡大が止まっていません。

愛知県でも、連日過去最多水準の新規感染者が発表され、まん延防止等重点措置が発令されています。

こうした中で、過払い金のご相談を先送りにされている方も多くいらっしゃるかと思います。

「電車に乗るのが怖いから」とか「名駅の人混みが怖いから」という理由で、ご相談を先延ばしにされたくなるお気持ち、とってもよくわかります。

コロナ禍で外出自粛が呼びかける中だからこそ、過払い金が気になっている方にしておいて欲しいことがあります。

それは、「取引履歴」の取寄せです。

「取引履歴」の取寄せ方法

「取引履歴」とは、いついくら借りて、いついくら返したかという、取引の記録のことです。

消費者金融やカード会社などの貸金業者は、法律上、「取引履歴」の作成が義務付けられていて、ご本人から請求があった場合には、この「取引履歴」を開示する義務があります(貸金業法19条の2)。

「取引履歴」は、返済途中の方でも、支払いが完了した完済済みの方でも、取り寄せることができます

「取引履歴」の取寄せは、難しくありません。

あなたがお金を借りている、または借りていた会社に電話をして、「取引履歴を送ってほしい」とお願いすれば大丈夫です。

カード会社の場合、ショッピングのリボ払いは過払い金の対象外ですので、「キャッシング取引の取引履歴」とお願いしましょう。

会社によっては、最近の取引履歴しか送ってこないような会社もあるので、「取引の最初から最後まで」と念のため伝えておくと良いと思います。

もし、「何のために必要ですか?」と聞かれたら、「自分の取引の内容を確認したいから」と伝えれば大丈夫です。わざわざ過払い金の話を出す必要はありませんので、ご安心ください。

取引履歴は、原則として、自宅に郵送される形になります。貸金業者によっては、自宅以外の勤務先に送付してもらう形だったり、郵便局留めにしてもらったりという対応をしてもらえるようです。ご家族に内緒で借りていた方は、取引履歴の開示をお願いする際に、郵送先についても、自宅以外が可能かどうかを確認しておきましょう。

取引履歴の開示を請求してから開示までの期間は、会社によって、大きく異なります。早い会社の場合1週間から2週間で開示されるようですが、遅い会社の場合は、数か月かかる会社もあるようです。

「取引履歴を取寄せたら、カードが止まるんじゃないか」とか「取引履歴を取寄せたらブラックリストに載るんじゃないか」と心配される方も多いようです。

この点も大丈夫です。取引履歴を取寄せるだけではブラックリストにのったり、カードがとまったりすることはありません。この点、相手方業者に債務の相談を合わせてしまうと「債務整理」を進める手続きに移行してしまう恐れがあります。このため、特に、返済中の会社に取引履歴の開示を求める際には、「取引の内容を確認したいだけ」ということを強調しておくと安心です。

また、取引履歴の開示後に、過払い金の和解について連絡をしてくる業者もあるようです(アイフルなどで多いようです)。これは、相手方業者が、ご本人を相手に非常に低い金額で和解を進めてくるものですので、相手にする必要はありません。もし電話に出てしまったら「弁護士に相談します」と伝えれば大丈夫です。

 

「取引履歴」を取寄せておくことのメリット

この「取引履歴」をお持ちいただくと、ご相談の際、より具体的なアドバイスを差し上げることができるのです。

「取引履歴」がない場合、取引の内容は、ご本人のご記憶に基づいてお聞きするしかないので、そもそも過払い金の対象となるか否かについても、はっきりとしたことをお伝えすることができません。

一方で、「取引履歴」をお持ちいただければ、取引の内容がわかりますので、過払い金の対象になるかどうかや想定される争点などのお話をすることができます。さらに、ご依頼後にすぐに計算を進めることで、過払い金の金額についても、早めにお伝えすることができます。

「新型コロナが怖いので外出したくない」という方も、ただコロナの終息を待って、過払い金についての相談・手続きを先延ばしにするのは注意が必要です。

過払い金には期限があり、原則として、取引が終了してから10年で時効となってしまいます。また、取引の途中で一度完済している方や取引の途中から返済のみになってしまった方の場合、過払い金の時効はもっと早く来ると相手方業者が争ってくる可能性もあります。

今のうちに取引履歴を取寄せておいて、取引履歴が届いたら、早めに、名古屋駅の弁護士・片山総合法律事務所までご相談いただければと思います。

このほか、取引履歴の取寄せ方法や注意点については、過去の記事もご参照いただければと思います。

 

⇒ 取引履歴の取寄せ

 

⇒ 取引履歴を取寄せたままになっている方へ