消費者金融やカードキャッシングの過払い金。
テレビやラジオでは多くのCMが流れています。
以前は、過払い金の「相談」を呼び掛けるCMがほとんどでしたが、最近は、過払い金の「無料調査」や「無料診断」を呼び掛けるCMが多くなりました。
この過払い金の無料調査や無料診断は、主に全国チェーンの大量処理型事務所が、お客さんを集める集客目的で手掛けているものです。
「お電話5分で無料診断」とか「郵送のみで調査できます」などというCMを見たり聞いたりしたことがある方も多いかもしれません。
「電話一本でできるなら」とか「郵送だけで済むならば」と、気軽に利用できるというメリットもあるかもしれませんが、それ以上に、大きな問題も、相談者の方々から色々と聞いています。
こちらの記事では、過払い金の無料調査や無料診断をお勧めしない理由についてまとめておきます。
1・調査の信用性に疑問
この過払い金の無料調査、全国チェーンの大量処理型事務所が、電話や郵送で手掛けているようですが、その無料調査や無料診断の結果の信用性をみなさん考えたことはあるでしょうか?
そもそも過払い金は、ただ計算すれば良いというものではありません。
給付金みたいに申請すれば現金が自動的に払われるわけではありません。
過払い金の返還請求には、数多くの争点があります。
取引の分断や貸付停止に伴う時効の進行、債権譲渡や遅延損害金の争点などたくさんの争点があるのです。
過払い金請求にはこうしたたくさんの争点があるため、5分で現金がいくら戻るかなどわかるはずはありません。
そもそもみなさんの調査を担当するのは、どのような方でしょうか?
単なる電話オペレーターの方から結果を聞いたりしていませんか?
そのオペレーターの方は、過払い金の争点についてきちんと理解しているのでしょうか?
弁護士資格をお持ちなのでしょうか?
過払い金を実際に請求した場合に、相手方業者がどのような対応をしてくるかわかるのでしょうか?
そもそも過払い金の返還交渉をしたことがあるのでしょうか?
「無料」とか「電話一本」とか「フリーダイヤル」などという宣伝文句に、ついつい釣られそうになりますが、全国チェーンの大量処理型事務所が行っている「無料診断」や「無料調査」は、そもそもその信用性に疑問があります。
実際に過払い金返還請求の裁判をしたり交渉をしたりしていない方が行う「診断」や「調査」は、お医者さんではない人が行う診断と同じで、全く的外れのことが多いようです。
過払い金の無料調査や無料診断は、そもそも誰が調査・診断を行っているのか、その調査や診断結果がきちんと正確なものなのかという点で、大きな疑問があるということはちゃんと覚えておいてほしいと思います。
2・調査や診断と過払い金の回収作業は別物
これまで過払い金を請求した経験のない方は、過払い金の無料調査や無料診断を行えば、その結果として聞いた金額が、現金として戻ってくると思われるかもしれません。
ところが、過払い金返還請求は、立派な法律上の手続きです。
給付金のように、請求すれば自動的に振り込まれるものではありません。
過払い金の返還請求手続きには、交渉や裁判など、多くの経験や実績が必要になります。
お電話一本で無料診断してくれるような事務所が、実際の回収手続きでどれだけ実績を上げているか、考えていることはあるでしょうか?
たとえば、計算上、過払い金の元金が100万円あり、これに過払い利息が20万円ついて、請求総額が120万円の場合を想定しましょう。
請求総額120万円をきっちり回収しようとする事務所もあれば、利息は諦めて元金100万円だけを回収しようとする事務所もあれば、元金100万円の半額だけを回収しようとする事務所もあります。
あなたが気軽に無料診断をお願いしようとする事務所は、どのような回収方針で過払い金返還請求に取り組んでいるか、考えたことはありますでしょうか?
そもそも裁判を起こしてきちんと回収しようとしない事務所の場合、裁判を起こすだけで多額の費用がかかったり、期間などの見通しも的外れだったりします。
繰り返しになりますが、過払い金の調査と返還手続きは別の手続きです。
無料調査や無料診断などという無駄なステップを踏むのではなく、最初から過払い金請求に強い事務所に相談・依頼するようにしてください。
3・調査や診断は二度手間で無駄な時間がかかります
これまでご説明のとおり、過払い金の無料調査・無料診断と、実際の過払い金の返還請求手続きは、あくまでも別の手続きです。
たとえば、どこかの事務所に無料調査をお願いしても、過払い金が戻ってくるわけではありません。
仮に過払い金が発生していた場合も、過払い金の金額が140万円を超える場合、司法書士法人では対応できませんので、新たに弁護士を探す必要があります。
そして、新たな弁護士に依頼した場合は、また取引の記録を取り寄せるところから始まります。
取引履歴の取り寄せは、長い会社だと取引履歴の開示まで3か月ほどかかります。
最初の調査で3か月、再度の依頼後にまた3か月、取引履歴が開示されて、実際の請求手続きに着手するまで、大変な時間がかかってしまうのです。
この無駄な時間を防ぐためにも、初めから金額制限のない弁護士に相談・依頼する方法を取るべきなのです。
特に、取引期間が長かった方の場合、金額制限のあるような司法書士法人に調査だけ依頼するなど、何の意味もないことです。
最初から過払い金請求手続きを正式に依頼するのがおススメです。
以上みてきたとおり、過払い金の無料調査や無料診断は、結果に信用性がなく、実際の請求手続きは別の手続きになるため時間がかかってしまうというデメリットがあります。
これまで、名古屋駅の弁護士・片山総合法律事務所にも、他の事務所で無料調査や無料診断をしてもらったが、今一つ信用できなかったという理由で、改めて、当事務所に返還請求手続きをご依頼頂く方が大変多くいらっしゃいました。
「電話一本」とか「郵送で」とか、一見簡単そうに見える手続きですが、調査の信用性や時間という点からも「落とし穴」があることをきちんとご理解いただければと思います。
そもそも、過払い金の無料調査は、本来の過払い金請求手続きの中で、取引履歴の取り寄せ及び計算という部分だけを取り出して行うことに無理があります。
実際の返還請求手続きを視野に入れない調査や診断などは、全く意味がないのです。
このため、名古屋駅の弁護士・片山総合法律事務所では、過払い金の無料調査や無料診断は一切行っていません。
きちんと過払い金返還請求手続きをご依頼頂いた方については、取引履歴の取り寄せから計算、その後の裁判や交渉までしっかり行います。
一方で、集客目的の無料調査や無料診断は一切行わない方針を堅持しています。
もし、ご相談時に、過払い金が発生しているかどうかの目安を知りたいとか、ご相談後にできるだけ早めに計算結果を知りたいという方は、集客目的で調査や診断を行っているような事務所に頼む必要はありません。
ご自身の取引の記録については、ご自身で相手方の消費者金融やカード会社から取り寄せることができます。
具体的な取り寄せ方法については、以下のページをご参照ください。
⇒ 取引履歴の取寄せ
過払い金はどこに頼んでも同じではありません!
過払い金の請求手続きは、どこに頼んでも同じではありません。
依頼する弁護士によって、回収できる過払い金の金額も回収までの期間も大きく異なる分野です。
このため、「無料調査」や「無料診断」を行っているからなどという安易な理由で、過払い金の返還請求手続きを依頼する事務所を選んでしまうと、あなたの過払い金をしっかり取り戻すことができなくなってしまうリスクがあるのです。
名古屋駅の弁護士・片山総合法律事務所では、10年以上にわたって過払い金請求に一貫して取り組む所長弁護士が全ての案件を担当するのが特徴です。
東海地方にお住いの方で、過払い金をしっかり取り戻したいという方は、安易に無料調査や無料診断を行わずに、最初から当事務所までご相談頂くのが圧倒的にお勧めです。