消費者金融やカード会社の過払い金請求をめぐり、
先日、このような記事が出ておりました。

「司法書士の方が安そうだし」などという理由で、
過払い金請求をご依頼される専門家を選ぶと、
こうしたトラブルに巻き込まれる可能性もありますので、
当コラムでご紹介させて頂きます。

過払い金請求訴訟、「司法書士の支援違法」 女性、報酬返還求め提訴(西日本新聞ウェブサイト)

貸金業者に払いすぎた利息を取り戻す「過払い金返還請求」をめぐり、司法書士が本来の権限を超える案件を「訴訟支援」の名目で請け負うことの是非が、法廷で争われることになった。司法書士に返還請求を依頼した佐賀県の女性が「(弁護士法で禁じられている)非弁行為のため、委任契約は無効」などとして、支払った報酬の返還などを求めて福岡地裁に提訴。裁判所の判断が注目される。

弁護士法などでは、司法書士は140万円以下の案件しか代理業務ができないと規定されているが、140万円以下の業務に見せかけるなどして司法書士10+ 件が過払い金の返還請求を受任し、トラブルに発展するケースが全国で相次いでいる。過払い金の返還額は全国で毎年数千億円に上り、これに特化して業務を行う司法書士もいるとされる。

訴状によると女性は2010年、福岡市の男性司法書士に過払い金返還請求を依頼。借金があった貸金業者3社への請求額はそれぞれ140万円を超えていたが、司法書士と業務委任契約を交わし、返還額の28%に当たる約100万円を報酬として払ったという。

女性は「司法書士から『(弁護士と違い)司法書士は法廷に出られないので、自分で行ってほしい』と言われた。仕事が忙しくて何度も出廷できず、納得できない条件で和解せざるを得なかった」として、報酬の全額の返還を請求。司法書士側は取材に対し「書面を代わりに作成するなど、訴訟の支援をしただけなので代理業務とは考えていない」と答えた。

=2014/04/03付 西日本新聞朝刊=

こちらの記事にもあるとおり、
司法書士は過払い金の元金が140万円を超える案件については、
代理業務ができません。

もちろんご本人の代わりに
裁判所に行ってもらうこともできません。

仮に140万円を超える過払い金の裁判を起こす場合には、
ご本人が平日の昼間に休みをとって、
わざわざ裁判所まで行かないといけないのです。

司法書士のなかには、
「一緒に裁判所に行きますので大丈夫です」などと
宣伝しているところもありますが、
140万円を超える裁判の場合、
裁判所の建物までは一緒に来てくれても、
ドラマなどで見る裁判所の法廷の
当事者席には司法書士は入れません。

ただの傍聴者と同じように、
傍聴席で座っているだけです。

裁判官とのやり取りや
相手方業者の担当者・弁護士とのやり取りは、
ご本人自身がやらないといけないのです。

司法書士は「訴訟支援」などという名目で、
書類を作成してくれるかもしれませんが、
裁判官から司法書士の作成した書面の中身について、
色々と質問されるのは、
司法書士ではなくご本人になってしまいます。

つまり、
せっかく専門家に過払い金請求を任せたのに、
結局はご本人が裁判所に足を運び、
ご本人が裁判官や相手方担当者・弁護士とやり取りをして、
ご本人が和解の話をしないといけないのです。

この記事のケースでは、
そんな風にご本人が裁判所に行っているのに、
司法書士が返還額の28%を報酬と受け取っていたとのこと。

正直、こんな風にご本人が大変な思いをするのであれば、
司法書士などに頼む必要などなかったかもしれません。
挙句の果てに司法書士の代理権がない部分まで
報酬の対象とされてしまっては、
トラブルとなって当然ですよね。

司法書士と弁護士との違い

法務大臣認定司法書士とは?

⇒過払い金・司法書士の懲戒処分例

このように、
過払い金の金額が多い場合、
専門家選びには注意が必要です。

▼取引期間が10年以上の方、
▼借りていた金額が100万円以上と多かった方は、
最初から司法書士ではなく弁護士にご相談・ご依頼されるのが、
こうしたトラブルを防止するためには一番です。

最初から弁護士にご依頼頂ければ、
ご本人が平日の昼間にお仕事を休んで
裁判所に毎回行く必要もございませんし、
裁判官や相手方業者・担当者と
直接やり取りする必要もございません。

ましてや、
書面を作ってもらっただけで、
回収額の20%の報酬を払わされることもございません。

過払い金はご本人が考えている以上に
たくさんの金額が出ているケースも多くあります。

「司法書士の方が報酬が安いから」などという
根拠のないイメージにとらわれずに、
過払い金請求は最初から弁護士にお任せいただければと思います。

→ 名古屋駅前・過払い金請求に強い弁護士

 

 

名古屋駅の弁護士 片山総合法律事務所