消費者金融やカードキャッシングの過払い金。

気にはなっているけど、弁護士や司法書士の事務所に電話するのは、気が進まない。

そんな方も多いかと思います。

過払い金は、借入れがあれば必ず発生するというものではありません。

過払い金が発生しているかどうか、自己診断を簡単にできるように、過払い金が発生する場合と発生しない場合をまとめておきました。

ぜひ参考にしてみてください。

 

■過払い金の自己診断

1・借り始めたのが、平成20年以降の方

借り始めたのが、平成20年以降の場合、もともと適法な金利で借りているので、借りていた会社を問わず、過払い金は発生しない可能性が圧倒的に高いです。
年20%以上のいわゆる「グレーゾーン金利」について平成18年頃から最高裁判所で違法とする判決が相次いだことを受けて、アコムやプロミス、レイクなどの消費者金融や、ニコス、オリコ、セゾンなどのカード会社は、平成19年頃から、貸付の利率を下げるようになりました。
消費者金融は、平成19年以前に契約していた方の場合はそのまま高い利率で貸し続け、平成19年以降に契約を結んだ方はもともと適法な金利で貸し付けるようになりました。
カード会社は、ほとんどの会社が平成19年4月頃に、貸付の利率を一律で適法な金利に下げました。
このため、平成20年以降に借り始めた方の場合は、もともと適法な金利で借りているため、過払い金は発生しない可能性が圧倒的に高くなります。

いつ借りたか忘れてしまったという方は、一度、ご自身で取引履歴を取り寄せてみてください。

⇒ いつ借りたか忘れてしまった方へ

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2・銀行のカードローン

最近、お問合せが多いのが、この銀行のカードローンです。

銀行のカードローンは、消費者金融やカード会社と異なり、貸金業法ではなく、銀行業法が適用されます。

このため、消費者金融やカード会社のように、いわゆる「グレーゾーン金利」で貸していたことがなく、銀行のカードローンでは、過払い金は発生しません。

なお、念のためですが、銀行系列のカード会社のキャッシングでは、平成19年以前から取引があって、完済から10年が経過していない方は、過払い金を取り戻せる可能性があります。

銀行そのもののカードローンか、銀行系列のカード会社のキャッシングかによって、過払い金が発生するかどうかは大きく違いますので、ご注意ください。

 

3・モビット、オリックス、アットローン、キャッシュワンなど

カード会社や消費者金融であっても、必ず過払い金が発生するわけではありません。

モビット、オリックスクレジット、アットローン、キャッシュワンなどは、もともと適法な金利でしか貸付を行っていませんので、過払い金が発生することはありません。

 

4・クレジットカードのショッピング利用分のリボ払い

カード会社の利用であっても、カードキャッシングではなく、カードショッピングのリボ払いの場合は、もともと適法な金利で借りているため、過払い金は発生しません。

 

5・住宅ローン、車のローン、バイクのローン、エステのローンなど

こうしたローンはもともと適法な金利になっていますので、過払い金は発生しません。

 

6・貸金業者から裁判を起こされて支払った場合

貸金業者から裁判を起こされて支払った場合、特にグレーゾーンについての最高裁判決(平成18年から平成19年)以後の裁判の場合は、貸金業者が裁判を起こした段階で、すでに適法な利率で計算しなおした金額を請求する形になっています。

このため、借りていた会社から裁判を起こされて支払ったという方の場合は、過払い金が発生しない可能性が圧倒的に高くなりますので、ご注意ください。

 

 

 

■過払い金が発生する場合

過払い金は、利息制限法の制限利率を超えた利率で借りていた場合のみ発生します。

  • 10万未満 年20%
  • 10万円以上100万円未満 年18%
  • 100万円以上 年15%

以上が、利息制限法の制限利率です。

過払い金が発生するのは、年29.2%や年28.8%、年28.375%、年27.375%、年25.55%などで借りていた場合ということです。

取引の最初から年18%で50万円の枠で返したり借りたりを繰り返している場合には、過払い金は発生しません。

⇒ 過払い金の対象者とは?

 

■過払い金の期限

過払い金は、いつまでも請求できるわけではありません。

過払い金は、原則として、最終取引日から10年で消滅時効にかかってしまいます

また、例外的に、途中完済がある場合や借入れができなくなった場合、1回払いのキャッシング取引の場合などは、相手方貸金業者が、より早く消滅時効にかかると主張してきて、争点となります。

⇒ 過払い金の時効

 

■自己診断よりも弁護士に相談!

以上、過払い金の自己診断として、過払い金が発生する場合や発生しない場合について、まとめておきました。

ただ、あくまでも目安になりますので、ご自身に過払い金が発生しているのか否かについては、きちんと弁護士や司法書士などにご相談頂き、取引履歴を取り寄せてみるなどして調査をしてみないとわからない場合も多いです。

特に取引期間については、みなさまのご記憶があいまいなため、調査して初めて正確な取引期間がわかるというケースも多くあります。

いずれにしましても、ご心配な方は、お早めに弁護士や司法書士にご相談してみてください。

 

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