払いすぎた利息である「過払い金」。
消費者金融やカードキャッシングでは、平成19年以前から利用している場合には、この「過払い金」が発生している可能性があります。
一方で、メガバンクの銀行、地銀、信金のカードローンは、この過払い金の対象になるのでしょうか?
そもそも過払い金とは、利息制限法を超えた利率(昔よく言われた「グレーゾーン金利」)で借りた場合に発生するものです。
消費者金融やカード会社のキャッシング取引は、平成19年以前は、利息制限法を超えた利率で貸していました。
これは、「貸金業規制法(現在は「貸金業法」)」という法律で、細かい要件を満たせば、利息制限法を超えた利率で貸して良いことになっていたからです。
実際には、消費者金融やカード会社は、要件を満たさずに高い利率で貸していたために、最高裁で違法な利率と判断され、結果として、過払い金の返還請求を受けることになったのです。
一方で、銀行、地銀、信金のカードローンは、そもそもこの「貸金業」にはあたらないため、「貸金業規制法」の適用範囲外です(銀行は「銀行法」、信用金庫は「信用金庫法」の適用を受けます)。
貸金業規制法の適用を受けない銀行、地銀、信金は、利息制限法を超えた利率で貸していたことがありません。
つまり、銀行、地銀、信金のカードローンは、「グレーゾーン金利」で貸していたことが一度もないため、過払い金は全く発生しないのです。
銀行、地銀、信金のカードローンでは、たとえ20年以上取引が続いていたとしても、もともと適法な金利での借入れのため、過払い金が発生することはありません。
この点、最近東京に本部を置く一部の事務所のCMが、「銀行、地銀、信金、・・・・系列のカードも対象です」とか「実は銀行系例でも過払い金が発生していました」という表現を使っています。
確かに、「銀行系列」のカード会社(例えば三菱UFJニコスや三井住友VISAカードなど)や「信金系列」のカード会社(中部しんきんカードなど)のキャッシング取引では、過払い金が発生する可能性があります。
しかし、銀行そのもののカードローン(三菱UFJ銀行や三井住友銀行などのカードローン)で過払い金が発生するわけではありません。あくまでも「銀行系列」です。
この点、勘違いされている方が非常に多いので、ご注意ください。
「過払い金」の基本的な知識、過払い金が発生している可能性がある場合、過払い金が発生しない場合については、以下のリンク先にまとめてありますので、ぜひご参考にしていただければと思います。
⇒ 過払い金とは?
⇒ 過払い金専門サイト~名古屋駅の弁護士・片山総合法律事務所